レスキュートレーニング ~ ファーストエイド ~ 

2025年10月26日(日)

 毎年欠かさず会で行ってきたレスキュートレーニングのファーストエイド編を雨の中、東吾野駅から歩いて5分ほどの川越山岳会の大野さん所有の「アルパイン入門道場」という屋内施設を利用して行った。

 

 新しく行ったことは、命の危機に関わる呼吸器系、循環器系、中枢神経系のダメージを確認するための山岳医療救助機構が推奨する3SABCDE評価手法の流れの確認。

 また、軽量なアルミ合金にポリウレタンフォームを張り合わされて作られた「サムスプリント」の活用。外傷による頸椎損傷の念頭に、首の動きを制限するために、首にゆるく巻いてしっかり成形する。軽量なこともあって、参加者はその有効性を口にしていた。この「サムスプリント」は前腕骨折の副子にも有効性が確認できた。「サムスプリント」を健常な腕でC型に折り曲げて型取りしてから、骨折している腕にあて、テーピングテープ等で固定し、三角巾で固定すると安定する。

圧迫止血の後の傷口をガーゼで覆う止血固定する自着包帯にも注目が集まった。

 骨折の応急手当としては、この夏のD蔵の沢で鎖骨を骨折したこともあって、両肩に回してすき掛けにし、背部で両端を結び、胸が張るような形で固定する方法を示した。

 

 また、大腿骨の骨折時の固定にエアーマットの活用法をデモした。エアーマットを患部に巻き付け、三角巾で固定してから、空気を入れると安定感が増幅する。エアーマットに空気を注入するタイニーポンプに参加者の関心が集まった。

 このほか、傷病者の管理、搬送法、懸垂下降途中の仮固定からの登り返しを行って、終了した。 

 今年2月に亡くなったTルさんの指導のもと、レスキュートレーニングは毎年行われ、セルフレスキューの技術だけでなく、意識も連綿と会員に受け継がれてきた。他の訓練が中断となっても、この訓練だけでは継続していることは「わらじの仲間」の財産である。特に、今回行った救助の前のファーストエイドはどんな場面でも使われることがありうるものである。個人での反復訓練が望まれる。